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天国への階段(2)

天国への階段(1)」の完結編。
ここからは、ガトの話になります。




大スターであることがどれだけ有難く難しいことであるか、急に感じはじめたのはガストン・ガウディオである。パリでの勝利により、ガトのランキングは急上昇した。このランキングが高くなれば高くなるほど、経費は減り稼ぎが増える。


◆驚きは続く(PERMANENT AMAZEMENT/ASOMBRO PERMANENTE )

RG優勝以来、ガストン・ガウディオはその勝利の反響 - 賞賛、各種の公式依頼、そして街角の一般人たちからの応援 - などに驚かされ続けている。

RGで優勝してから、ガストン・ガウディオはトップ10選手であることがどういうことなのか発見した。タイトルを獲得する前からその変化を感じ取ってはいた。「決勝が近づくにつれ勝ち残っている選手も少なくなり、注意が注がれるのは3人とか4人になる。優勝してからまだ大会に出てないから今後どんな風に扱われるのかわからない。スウェーデンに出ることになっているんだけど、セレモニーがあるって電話で言ってきた。大会で自分のためのセレモニーなんて想像したこともなかった。そんな風に、以前は存在さえ知らなかったことに巻込まれていかなきゃならない」


Q:RG優勝後、ほかに何が変わりましたか?

「僕の家族に関しては、なんにも変わってない。変わったことといえば、インタビューに応じなければならないこと、そして気が乗らないことでもやらなきゃいけないから応じなければいけないこと。例えば、スポーツ省やら大統領室やらからあれこれ言ってくる、帰国した時には記者会見しなきゃいけない、とか。プレス担当者を雇わないと、電話が鳴りっ放しで気が狂いそうになるから携帯番号を変えなきゃならない。一日中いい人でいなきゃいけない。疲れているからって、声を掛けてくる小さな子供たちに無愛想にはできないからね。顔を知られてるから、友だちと出かけて酔っぱらうこともできない。テニスのことなんか何も知らない人間が僕について語り、ありもしないことをでっちあげる。変わらなければいいのにと思うようなたくさんのことが変わっちゃうんだ。

Q:色々なオファーが来ますか?

「うん、大会やエキジビに出場するのに前よりたくさんのお金を提示される。色々な大会に出てくれと、この2、3日でたくさん電話が来た。契約済のものはそのままだけど、更新時には確実に変わるだろう。そういったことはすべてマネージャーがやってくれる。だけど、こういったことは、僕にとってはたいした価値があるわけじゃない。RG優勝がもたらしてくれた幸せは、そういったことすべてとひきかえにしても構わない」

Q:想像もしなかったようなこともありましたか?

「アルゼンチン人同士のRG決勝 - コリアとの試合がどのように受けとめられたかというのが印象深かった。すごく熱狂的なんだ。まるでリーベルとボカ(訳注:アルゼンチンの二大サッカーチーム)の試合さ。みんな熱に浮かされたみたいに「どれだけ泣いたか!」とか言うんだ。ママが言うならわかるけど、全然知らない人からそんな風に言われるのはとてもジーンとくる。僕を呼び止めて、僕のために縁起かつぎをしたって言うんだ。窓をつかみながら試合を見てたっていう人がいた。たまたまその人が窓をつかんだら僕の調子が良くなってきたから、放すわけにいかなくなったんだってさ」


◆事情を知る人間は語る(WORDS OF ONE WHO KNOWS/PALABRA AUTORIZADA )

Eduardo Puppo(訳注:アルゼンチンのテニス雑誌の編集長だか発行人だと思う):「RG優勝は、ガストンの他人との関係を大きく変えた。たぶん、彼の家族とごく親しい友人たちにしかわからない変化だろうが、パリでの勝利はGS優勝以上のものだった。彼は、自分自身の人生についての闘いに勝ち、彼を心から愛する人々の傷からナイフを引き抜いたんだ。(英訳: He won a battle over his own life and withdrew the knife from the wound of all who really love him” 原文:Fue ganarle la pulseada a su propia vida y sacarles el cuchillo de la herida a todos los que lo quieren de verdad.)」

Puppoによれば、街角でも大きな変化が見受けられる。「今では『ガウディオ万歳』という声が掛かるが、ほんの15日前までガッツのないヤツだと言う人間もいた。彼は、人生がこの素晴らしい機会を与えてくれ、彼はそれをつかむことができたんだと何度も繰り返し言う。ガウディオは、この新たな名声に対して、すばらしいプロ意識でもって対処している」


◆汽車がやってきて、彼はそれに乗った(THE TRAIN PASSED AND HE GOT ON IT/PASO EL TREN Y SE SUBIO )

南米メディア向けにRGを取材したジャーナリストである彼は、ガウディオの勝利に感動した。テニスが彼に与えた新たなチャンスを、考えうるかぎり最高の形で活かすことができたと思うからである。

人生においては、列車が1度か2度やってくる。問題は、その機会を活かせるかどうか。たいていの人間は列車をやりすごし、手遅れになってから気がつくのである。ガストン・ガウディオは何台も列車をやりすごした。列車が再びやってきたのは幸運だったといえる。最後のチャンスだったかもしれない。乗り損なうわけにはいかない。これを逃したら後はもうないのだから。

2003年9月、スペインのマラガで開催されたデ杯SFで、ガストンは暗闇を見る。当時の彼は「デ杯男」として知られていた。デ杯での戦績は14勝1敗。悪い前兆は何もなかった。が、フェレロそしてモヤとの対戦では何ひとつうまくいかなかった。(訳注:R1 - FERRERO d GAUDIO 6-4  6-0  6-0 R5 - MOYA d GAUDIO 6-1  6-4  6-2)

そして、メディアが一斉に飛びついた。テニス・メディアではなく、テニスというものを知らない輩がエキスパートのような顔をして意見を申し立てる類いのものである。

マラガでの結果は、たしかに彼らが言う通りのものだった。しかし、テニス選手という衣の下に人間がいるということはまったく考慮されなかったのだ。メディアは無慈悲だった。

2004年5月のWTC(ミニデ杯とも呼ばれる事もあるWorld Team Cup)まで、そういう状態が続いた。RG前週のこの大会でヒューイットに勝ったのがターニングポイントだった。(訳注: ガトが6-3 5-7 7-6(5)で勝った)

RGでは、いくつかの難しい課題が待っていた: 化学(カニャス)、体育(ノバク)、速記(ヒューイット)、ラテン語(ナルバンディアン)、そして数学(コリア)。ガストンはすべて合格点を得た。落第ギリギリもあれば10点満点もあった。たとえば、カニャス・ノバク・エンクィスト、コリアとの対戦は7点、ヒューイットとナルバンディアン戦は10点だ。肝心なのは、彼がヒーローとして卒業したということ。大会開始の時点では彼は敗者だった。ランキング44位で、誰も彼を顧みず、落ちていく一方だろうと思っていた。あと一歩でそうなりそうだったが、なんとか持ちこたえた。

今、ガストンにとって問題なのは、その後だ。

どんな未来が彼を待っているのか?

この勝利は彼の人生を変えるのか?

「百万ドル稼いだばかりだぜ」と言う人も多いだろう。

もちろん、税金が30%、最低でも10%がコーチ陣へ、エージェント(Patricio Apey, Jr.)へのコミッションを考慮しなければいけない。そして、その他の経費だ。彼の手元に残るのはおよそ半分だろうが、悪い話ではない。しかしながら実際のところ、ここでは賞金は大したイミを持たない。ガストンが自分の仕事を終えた今、今度は彼のエージェントの出番だ。新しい契約が舞い込み、彼はチャンピオンとして今までとは違った待遇を受けるだろう。そう、なぜならば(彼にガッツがないと言った人間たちには気に喰わないことだろうが)ガウディオは、アルゼンチンではビラスとサバティーニ以来のGSチャンピオンなのだ。これは彼の栄誉であり、何事もそして何者もそれを奪い去る事はできない。

(ATP)大会に出場すればギャランティーが出るだろうし、エキジビションにも呼ばれるだろう。「チャンピオンの友人」と称する人間たち - 彼を批判したのと同じ輩たちでもある - が近づいてくるだろう。かつて彼を情け容赦なくこき下ろしたTV番組の数々から出演依頼があった。

その中から彼が選んだのは2つ。ひとつはCQC。彼はCQCのプレゼンテーターPergoliniと親しいから納得だ。そして、クルマで彼を釣ったスサナ・ヒメネス(司会の番組)。くだらないゴシップ番組を歯牙にかけないすばらしい選択だ。スポーツ番組に出なかったのはまずかったと思うが。

このタイトルで満足してしまわないで欲しいと思う。これを活かして、まぐれ勝ちではなかったと証明してもらいたい。コリアは勝つべく決勝コートに出て行き、挫折してコートを去った。ガウディオはプレイするために出て行き、ふさわしいトロフィーを手にした。この機会を利用しない手はない。

最後に。彼には誰かのようにはならないでほしいと思う。ガブリエラ・サバティーニを真似ないでほしい。そして、変わらないでほしい。今までそうだったように謙虚な男でいてもらいたい。ただし、自分に大いなる自信をもって。

自信を持っても彼が変わらないように願う。なぜなら、30位の時にはどの選手もいいヤツだけど、ランキングが上がると変わるのだから。もしコリアが勝っていたら、スターの勝利だった。ガウディオが勝った。それは、君や僕みたいな普通のオトコの勝利だ。いいことじゃないか。だって、つまり君だって勝てるということなんだから。


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[ 2008/12/20 ] 選手 ガト | TB(0) | CM(8)

またまたおもしろかった~

>窓をつかみながら試合を見てたっていう人がいた。
爆笑

とても読み応えのある、おもしろい記事でした。ありガト~
ガトもセブも、セカンド ベルリンの壁をやぶって戻ってきて~
[ 2008/12/21 00:26 ] [ 編集 ]

pizzaさん
RGで優勝してからは読み応えのあるインタビュー記事がたくさん出るようになって、今でも何かあれば彼の生の声が聞ける(記事で読める)ので、ガトという人間がかなり理解できるようになりました。知れば知るほどはまっていきます。

>セカンド ベルリンの壁
これを越えることが出来る選手には本当に脱帽。
越えようとする努力だけで尊敬に値すると思ってます。



[ 2008/12/21 04:07 ] [ 編集 ]

なるほど・・・

記事を読んで・・・なるほどなるほどと・・・うなづきましたよ。
とても興味深い記事でした。

ジュニアからコンスタントにランクがあがってトップに上りつけた選手ではないパターンですからね。
特にアルゼンチンという国ですから・・
この間のアルゼンチン杯をみて、ガストンまた活躍してくれるのではと思っています。そう願いたい!


[ 2008/12/21 08:00 ] [ 編集 ]

れいこさんとこの記事のお蔭で、華々しく思えたプロテニス界の中には想像もしなかったこと(社会)もあることが分かりました。
階層社会だとは知っていましたが・・・。
来シーズン、わたしもガトの活躍をいっそう期待しています。
酸いも甘いも知り尽くして、このライターさんが願う以上のオトコになっているはずだもの。
[ 2008/12/21 10:11 ] [ 編集 ]

よかった~!

1も2も、とってもすばらしい記事でした!
ランキングとはどういうものなのかがわかって、ますます試合がおもしろくなりそうです
いかにTOP100以内にはいることが大切なのか
TOP50にはいることによって可能になるもの
夢のようなTOP10入りなどなど

いろいろ知らなかったことがわかってきました ありガト~♪
来年ガト応援しますよ~!!
[ 2008/12/21 21:37 ] [ 編集 ]

v-267まさこさんは、RG優勝のほんの1、2ヶ月前のガトを見ているから、よけいにうなづける所が多いのでしょうね。


v-267のびたさん
トップ100圏外ではふつうは自分の稼ぎだけではコーチを帯同できないんですよね。。ウェア契約もない選手も、たぶんゴロゴロしてると思います。

チャレンジャーくらいだと、お下がりのウェアを着てる選手もいるかも。少なくとも、10年くらい前のガトのそういう状態の写真をみたことがあります。
とある記事から類推したことですが、全米には「ウェア寄付箱」みたいなのがあるみたいです。スポンサーから試合ごとにおニューのウェアとかシューズを貰えるような選手がそこにいらなくなったものを入れて、必要な人がそこから持っていく・・という仕組みだと想像してます。


v-267シェリーさん
>いかにTOP100以内にはいることが大切なのか
>TOP50にはいることによって可能になるもの
>夢のようなTOP10入りなどなど
私も、この記事を読むまでこういうことは全然知らなかったし、想像もつかなかったです。

TVで試合放映を見るだけのファンにとってはトップ50圏外選手はいないも同然なんでしょうね。私にとってのサッカー選手がせいぜい30人くらいしかいないのと同じ。
[ 2008/12/21 22:46 ] [ 編集 ]

ウェア契約

れいこさん、興味深いお話をありがとうございます。

>ウェア契約もない選手も、たぶんゴロゴロしてると思います。
海外のテニス選手(特に男子)は過酷ですね。
わたしは国内のテニス選手のブログも割りとよくチェックしてるのですが、箸にも棒にも引っかからないランクの日本女子の選手でもしっかりウェアの供給はされてるようで「今度のエレッセの新作、超カワイイんですぅぅ(#^.^#)」みたいな日記をよく見かけます(苦笑)。日本にも企業のリーグ戦があって、所属できればそこそこ生活できるみたいですね。そこを足がかりに世界へ飛び出そうとしてる選手か、「今のままで別にいいや」な選手かどうかはブログを読むと、だいたい分かります(笑)。はっきり言って若手の日本女子は絶望的だと言っていいかも。(男子はあれで錦織以外にもそこそこ期待の選手が出てきてるんですが)伊達さんがイライラするのもよく分かる気がします。。。なんか話がズレてしまって済みません(~_~;)




[ 2008/12/22 20:18 ] [ 編集 ]

Nalbyさん
「日本」の「女子」だと、嫁入り道具のひとつみたいな感覚の人もひょっとしたらいるのかもしれませんね。大学出てお勤めまたは家事手伝いを経てお嫁に行くところを、運動神経がいいからプロになりました・・というパターン。(ちょっと・・いや、かなりうらやましいかも~)

うらやましい身分だけど、自分の時間を割いてまでそういう選手を応援しようとは思わないです。。
ま、私の場合、そうでなくても女子選手には興味ないので・・・ 

>若手の日本女子は絶望的
>伊達さんがイライラ
日本は今までは女子>>>男子だったけど、今後は逆転しそうな感じ???
[ 2008/12/22 21:13 ] [ 編集 ]

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...he looks back and decides that all those years he suffered, those are the best years of his life, cause they made him who he was. 
(From a film Little Miss Sunshine)
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